会長の時間/2023年7月27日
7 月は母子の健康月間となっています。
2014 年のRI 理事会にて4 月をロータリーの重点分野の一つである母子の健康月間(平和構築と紛争予防(2 月)、疫病予防と治療(12 月)、水と衛生(3月)、(基本的教育と識字率向上(9月)、経済と地域社会の発展(10 月)、環境の保護(4 月))としました5 歳未満児の幼児と妊婦の死亡率と罹患率を削減しより多くの母子に対する基本的な医療サービスの提供、保健従事を対象とした研修、保健ケア、健康に関連した仕事に従事することを目指す専門職業人のための奨学金の支援を強調する月間であります。
2023 年のユニセフの報告では2021 年には約500 万人の子供が5 歳までの誕生日までに世界でなくなっています。これは福岡県の人口と同数です。
また5 歳から24 歳までには210 万人が命を落としています。統計上では死亡率ではナイジェリア、ソマリア、ギニア、中央アフリカなどが上位になっています。これらの死亡率(1000 人)は100を超えています。日本では2020 年に約2300 人がなくなっていますが死亡率は2,2となっていて驚くほどの差があります。ただ、これを皆さん聞いても当たり前の事実として認識をしておられること、また、変わらない事実となっていることを変えるためにもこの母子の健康月間はあることを強調したく思います。何らかの予防接種率はコロナの影響もありましたが浸透はしており、WHO をはじめとする国際的支援も回復しております。ただ、病院や接種を受けても慢性的な不衛生、交通インフラの皆無、女性や子供に対する歴史的・政治的・文化的慣習により総合的に悲痛な環境下で生活を虐げられている実情を改善しなければなりません。
ロータリーの7 つの重点項目はすべてが連動しサイクルとなっていることにお気づきでしょう。ロータリアンが人々の健康状態を改善することで質の高い教育を受けることができ、地域経済に反映し、貧困をなくし、環境保護に取り組み、更に世界理解・親善により平和を達成する、そのうち更に衛生的に健康状態を改善し、とスパイラルに向上していくことです。ロータリー財団においては50%をこの国際的活動資金、重点7 分野に対しての活動資金としています。つまり、われわれロータリーの指名の達成度はこの5歳未満児の幼児と妊婦の死亡率と罹患率を削減できた数値によって現れるといっても過言ではありません。
ただ数値で改善できたかといえば日本での例はさらに深い問題を提示しているように思えます。昨今の親族による幼児や乳児に対する虐待や事件は世界の実情から見るとより悲惨で言葉にできない虚しさを感じます。ここに私たち、皆さんのこれからの新たな取り組みのヒントを待っているようにも思えます。